Mbed で温度取得 ~冷房温度で揉めないために~

著者名:竹内 能彦(サイボウズ株式会社)

目次

はじめに

皆さん、こんにちは。
暑い日が続きますね。夏になると、揉める話題になるのが冷房温度ですよね!
同じ冷房温度でも、外気温やオフィス内の人数によって室内温度は変わってきます。
そこでまずは事実を知るために、Mbed を使って室内温度を定期的に取得しました。

Mbed とは

読み方はエンベッドです。
簡単にいうとマイコンですね。
私が実際に使って感じた Mbed の押しポイントはこんな感じ。

  1. Web ブラウザーで開発できるので、環境いらずで気軽に開発着手できます。
  2. C++の知識が必要です。
    が、後述のように他の人のプログラムが多数公開されていてインポートできます!IoT 入門にピッタリ!
  3. 開発画面は日本語にも対応しています。これはうれしい。

詳細は 公式HP (External link) を確認してください。(英語です)

今回は Mbed(mbed NXP LPC1768) (External link) アプリケーションボード(mbed Application Board) (External link) を使いました。
アプリケーションボードには温度以外にもさまざまなセンサーが付いています。
IoT を手軽に試したい方にはおすすめです!

また、無線でやりとりできたほうが便利なので Murata TypeYD (External link) も利用しています。

概要

温度センサーの値を kintone のアプリに登録します。
登録間隔は 1 分です。1440 リクエスト/日なので上限は超えません。

1 分よりも短い間隔で実行する場合はご注意ください。
参考) 制限値一覧 | REST API (External link)

結果

まずは結果からお見せしましょう!

こんな感じで温度情報が kintone に登録されます。
kintone ならグラフも GUI 操作で簡単!

kintone の設定

kintone アプリの作成

次のフィールドをフォームに設置します。

フィールド名 フィールドタイプ フィールドコード
計測日時 作成日時 作成日時
温度 数値 temp

API トークンの生成

レコード追加権限のある API トークンを生成します。
API トークンの設定方法が分からない方は APIトークンを生成する (External link) を参考にしてください。
API トークン設定を保存した後、「アプリを公開」または「アプリを更新」ボタンもお忘れなく!

アプリ ID と API トークンは Mbed の設定で利用するのでメモしましょう。
アプリ ID は URL から確認できます。
先ほど作成したアプリを開きます。
その URL が https://{subdomain}.cybozu.com/k/674/ の場合、674 がアプリ ID になります。

グラフの設定

グラフの設定はこちらの画像を参考にしてください。

Mbed の設定

developer のアカウント登録

Online Compiler を使うために、まずは Mbed のホームページ (External link) からアカウントを登録します。

Online Compiler にインポート

サンプルコード (External link) を開いて、右上の Import into Compiler をクリック!

Compiler に自分のデバイスが設定されてない場合は、Add Platform ダイアログが表示されます。
その場合は「Add Platform」をクリックし、プラットフォームを選択します。今回は mbed LPC1768 を選択しました。

プラットフォームが設定されたら、再度 サンプルコード (External link) を開いて、右上の Import into Compiler をクリック!

Import Program ダイアログが表示されたら、Import をクリックしましょう。

インポートできたら、main.cpp を開いて、1~5 行目を修正します。
1 行目は{subdomain}をご自身のサブドメイン名に変更します。
2,3 行目は先ほどメモした、アプリ ID と API トークンに変更します。
4,5 行目は無線接続の SSID とパスワードに変更します。

保存して、コンパイルすると bin ファイルがダウンロードされます。
その bin ファイルを Mbed にコピーし、Mbed をリセット(真ん中のボタン?を PUSH!)しましょう。
Mbed へのコピー方法などが分からない場合は 公式HPの手順 (External link) を確認してください。

このように表示されれば完成です!kintone のアプリにデータが登録されているはずです。

mbed Application Board (External link) には他にもいろんなセンサーがあります。
たとえば kintone にデータが登録されたら、音を鳴らすなども簡単にできそうです。
Cookbook (External link) を覗いてみると、NFC も使えるみたいですね。ぜひ皆さんもトライしてみてください!

おわりに

冷房温度が一定でも、お昼になると室温が 4℃も!高くなることがわかりました。
この事実を元に、タンクトップでの勤務許可冷房温度を下げる提案をしたいと思います!

information

この Tips は、2017 年 8 月版 kintone で動作を確認しています。