kintone Webhook × Microsoft Power Automate でタスク管理を効率化!

目次

はじめに

kintone の 2017 年 6 月版で、アプリのレコードコメントに関する 2 つの大きなアップデートがあります。

  • 1 つ目は、画面上の話ですが、コメントに「いいね」がつけられるようになること
  • 2 つ目は、コメントの書き込みから Webhook が発動できるようになること

今回は 2 つ目の「コメントの書き込みから Webhook が発動できる」についての活用例を紹介します。

概要

kintone の Webhook 機能を使い、Microsoft Power Automate 経由で Todoist というツールの Inbox に登録します。
Todoist とは、GTD(Getting Things Done)という考え方を実践できるタスク管理ツールです。
ご興味ある方は Todoist (External link) を参照してください。

シナリオ

普通なら、ToDo アプリにレコードを追加したら、レコードと同じ内容のタスクをそのままツールに連携するというシナリオがありそうです。

しかし、プロジェクトやチームの現場のリアルを想像して、以下のようなシナリオを考えてみました。

プロジェクトやチームレベルの共有タスクをミーティングしながらチェックしているとき、以下のスクリーンショットのように、レコードコメント欄で、個人レベルに落ちた「誰かの ToDo」をメンションして書くような場面はないでしょうか?

kintone アプリの一覧

こちらの目的は、タスクを複数のメンバーで共有することです。

kintone レコード詳細画面のコメント欄

kintone を使って進捗会議をしている時に、残 ToDo の担当がアサインされ、コメントは議事メモ代わりになります。

これにより、ミーティングで決定した ToDo 事項を自席に帰ってから転記する手間が軽減されます。
また、共有タスクから個人タスクに自動連携することで、アサインした側、された側も漏れがなくて安心ですね。

完成イメージ

コメントのすべてが Todoist に流れたら必要ないデータも登録されてしまうため、特定キーワード("TODO", 個人名など)でフィルターする条件をつけることがポイントです。
Microsoft Power Automate 側で設定可能です。

準備

利用するサービス、API

  • kintone

    • kintone アプリ(例として To Do (External link) を使いますが、何を使ってもよいです)
    • kintone Webhook 機能
  • Todoist iOS 版 or Android 版 or ブラウザー版

    • Inbox などプロジェクトが存在すること
  • Microsoft Power Automate (External link)

各サービスの環境はご準備ください。

Microsoft Power Automate の設定

事前にサインアップをしたうえでフローを作成してください。

フローの作成

メニューの「マイ フロー」>「一から作成」をクリックします。

「要求」トリガーの選択

サービスとトリガー検索で「要求」を入力し、選択します。

「要求本文の JSON スキーマ」

次のコード(JSON)をコピーします。
comment オブジェクトの text プロパティを取得するためのコードです。
このコードは、例に挙げている To Do アプリだけでなく、どのようなアプリでもコメント本文を取得するのに使うことができます。

 1
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 7
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{
  "type": "object",
  "properties": {
    "comment": {
      "type": "object",
      "properties": {
        "text": {
          "type": "string"
        }
      }
    }
  }
}

貼り付け後のイメージ

グレーアウトされている URL 欄は保存後に生成されます。

条件の追加

新しいステップで、「条件の追加」を選択します。

  • オブジェクト名:「text」(コメントのテキストの値)
  • リレーションシップ:「次の値を含む」
  • 値:「TODO」(今回のシナリオの場合)

アクションの追加

「はいの場合」の「アクションの追加」を選択し、「Todoist - タスクを作成する」を検索し選択します。
アクションの追加後、アカウントの認証を求められます。

作成するタスクの情報入力

  • プロジェクト ID:「Inbox」
  • タスクのタイトル:「text」

フローの作成と完了

フロー名を「kintone から Todoist」に変更し、完了をクリックします。

要求する URL の確認

完了することで、HTTP POST URL が確定するため、「マイ フロー」から作成したフローを開き、「要求」の詳細で URL をコピーします。
この URL は、kintone の Webhook 機能で利用します。

kintone Webhook の設定

事前に準備したアプリの設定画面を操作し、レコードコメントを書き込んで完成です。

Webhook の追加

アプリの設定画面に移動し、 Webhook > Webhook の追加画面を表示し、Microsoft Power Automate でコピーした URL を設定します。
kintone の「Webhook URL」の入力欄には、コピーした文字列の「https://」以外の部分をコピーしてください。
Webhook 保存後には、必ずアプリの設定画面に移動し、「アプリを更新」をクリックしてください。

以下の 2 項目にチェックを入れてください。

  • 通知を送信する条件:「コメントの書き込み」
  • 有効化:「この Webhook を有効にする」

コメントを書き込んで Todoist に登録

kintone アプリに戻り、コメントを書き込むと、Todoist の Inbox に登録されます。
また、指定した文字列を含まない場合は発動しないという制御ができています。

おわりに

今回は、Microsoft Power Automate の中でも、「要求」と「Todoist - タスクを作成する」アクションを使って、kintone から Todoist の登録を実現してみました。
また、Microsoft Power Automate で条件の追加を試してみました。
Microsoft Power Automate はこのように、任意で条件やアクションを追加できるのが魅力ですね。
さらに個人名で絞り込む条件を追加したり、メール通知のアクションを増やしたりと使い方の幅が広がりそうです。

information

この Tips は、2017 年 5 月版 kintone で動作を確認しています。